広島サミットに韓国招待検討 16日首脳会談、相互往来確認へ―岸田首相
2023年03月11日07時11分
岸田文雄首相は、初来日する韓国の尹錫悦大統領と16日に首脳会談を行う。首相は5月に地元広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)への招待を検討。日韓首脳が相互に往来する「シャトル外交」再開を確認し、共同記者発表などで関係改善を内外にアピールする見通しだ。
首相は10日の政府・与党連絡会議で、元徴用工問題に関する韓国側解決策を「評価」すると改めて表明。「日韓、日米韓の戦略的連携強化に首脳レベルで取り組む。尹氏と腹蔵なく今後の関係強化に向け意見を交わす」と意欲を示した。
サミットで議長国は関連会合などに複数国を招くのが慣例。尹氏は招待を希望しており、韓国政府関係者は「出席する方向で話が進んでいる」と明かした。ただ、首相が決断した場合でも、他の招待国と合わせて後日発表する可能性もある。2008年の北海道洞爺湖サミットの拡大会合には当時の李明博韓国大統領が出席した。
一方、日本外務省幹部はシャトル外交について「再開で一致することになる」と述べた。尹氏は首脳会談で直接、首相訪韓を要請する方針。首相は訪問時期について、元徴用工問題に関する両国世論の動向や、衆院解散・総選挙を含む政治日程もにらみ慎重に判断するとみられる。
両首脳は弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮対応も協議。米国を交えた3カ国の安全保障面の連携を確認する。米政府は、日韓への「核の傘」を含む拡大抑止を協議する新たな枠組み創設を日本政府に提案している。
会談の成果を文書にまとめ、両首脳が共同で発表する案も出ている。
尹氏は16、17両日の日程で来日。朴振外相も同行する。韓国大統領の来日は、19年6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に出席した文在寅氏以来、約4年ぶり。