教員残業代、不支給確定 最高裁、上告退ける
2023年03月10日18時10分
埼玉県内の公立小学校に勤務する男性教諭が、労働基準法に基づく残業代約240万円の支払いなどを県に求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は8日付で、教諭側の上告を退ける決定をした。請求を棄却した一、二審判決が確定した。
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公立校教員の給与体系を定めた特別措置法(給特法)は、時間外勤務手当を支払わない一方、月給の4%に当たる「教職調整額」を一律支給すると規定。残業を学校行事や職員会議などやむを得ない場合に限ると定めている。
一審さいたま地裁は2021年、「一般労働者と同様の割増賃金制度はなじまず、給特法はあらゆる時間外勤務について労基法の適用を排除している」として訴えを退けた。その上で、「多くの教職員が時間外勤務をせざるを得ない状況にあり、給特法はもはや教育現場の実情に適合していないのではないか」と指摘し、「給与体系の見直しを早急に進め、勤務環境の改善が図られることを切に望む」と付言した。
二審東京高裁は昨年、一審の結論を支持していた。