米国株ほど調整しない=ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト矢嶋康次氏
2023年03月10日14時40分
日米の株価は米国でインフレが沈静化し、景気悪化も限定的にとどまるという楽観論がサポートしてきた。しかし、米国株はここから10%以上調整する可能性が高い。日本株も影響を受けるが、円安が支えとなり米国株ほどは調整しないだろう。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言で、インフレ圧力が強く想定以上の利上げが必要になる可能性に言及した。今月の連邦公開市場委員会(FOMC)でのターミナルレート(政策金利の最終到達点)引き上げ観測に伴い、株価調整は進む。ただ、日本株は新型コロナウイルス対策の緩和や訪日客需要の拡大が個別株の物色につながる。日経平均株価の下値めどは2万6000円台後半とみる。
日本株の下落幅拡大につながるリスクファクターは日銀だ。長短金利操作の修正・撤廃は織り込んだと思うが、新執行部がすぐにマイナス金利を解除すれば下げ幅が広がるだろう。4~6月の新体制の動きは注目だ。