NATO、北欧2国加盟で協議継続 トルコの批准手続きは5月以降か
2023年03月10日05時13分
【ブリュッセル、ロンドン時事】北大西洋条約機構(NATO)は9日、フィンランドとスウェーデンの加盟を巡り、両国とトルコの政府高官がブリュッセルで協議したと発表した。3カ国は7月のNATO首脳会議までに再び話し合いの場を設けることで一致したが、具体的な日程は明らかになっていない。
トルコが北欧2カ国加盟に同意する条件として要求し、3カ国が合意したテロ対策強化について、NATOは全当事者が進展を歓迎したと明らかにした。しかし、ロイター通信がスウェーデン高官の話として伝えたところによると、トルコは2カ国が合意を満たしたとは認めていない。また、加盟に必要な議定書の批准手続きをトルコが行うのは、5月14日に見込まれる大統領・議会選挙後になる可能性が高いという。
NATOによれば、ストルテンベルグ事務総長は協議の冒頭、北欧2カ国が「安全保障に関するトルコの正当な懸念に対応するため、前例のない措置を取っている」と評価。NATO首脳会議までに、トルコを含む全加盟国が批准手続きを完了すべきだとの認識を示した。
スウェーデン政府は9日、テロ組織への参加や資金提供を違法とするテロ対策強化法案を議会に提出した。6月の施行を目指す。トルコの要求に応えた形で、対テロで厳格な姿勢を示すことで譲歩を引き出し、加盟手続きの円滑化を図りたい構えだ。