財政赤字、１０年で４００兆円圧縮　中国対抗へ国防費３．３％増―２４年度米予算教書

　【ワシントン時事】バイデン米大統領は９日、２０２４会計年度（２３年１０月～２４年９月）の予算教書を発表した。超富裕層や大企業への課税強化を通じ、今後１０年で財政赤字を計３兆ドル（約４００兆円）近く圧縮することを目指す。軍備を拡大する中国への対抗、ロシアが侵攻するウクライナに対する継続的な支援を踏まえ、国防費は前年度比３．３％増の８８６４億ドルを要求した。

赤字削減、共和党の譲歩迫る　「トランプ減税」撤回で対決姿勢―米予算教書

　２４年度の歳出総額は前年度比８％増の６兆８８３０億ドル（約９３７兆円）。歳入は４．９％増の５兆３６０億ドル。同年度の財政赤字は１兆８４６０億ドルと、前年度から１７．７％と大幅な拡大を見込んだ。
　財政健全化に向けた歳入増加策として、資産１億ドル（約１３６億円）以上の超富裕層の所得に２５％の最低課税率導入を提案。個人所得税の最高税率や法人税率を引き上げるなど、トランプ前政権が導入した「金持ちと大企業の優遇」を一部撤回し、税収増を図る考え。
　一方で、薬価引き下げ、石油・ガス企業への優遇税制撤廃などを提案。３３年度までの１０年間で財政赤字を総額２兆８５７０億ドル圧縮する。