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強権統治の是非が争点 5月のトルコ大統領選

2023年03月10日07時11分

トルコのエルドアン大統領=1日、アンカラ(AFP時事)

トルコのエルドアン大統領=1日、アンカラ(AFP時事)

  • トルコ中道左派・共和人民党のクルチダルオール党首(AFP時事)

 【イスタンブール時事】トルコのエルドアン大統領は10日、任期満了に伴う大統領・議会選挙を5月14日に行うと正式に決定する見通しだ。これに先立ち、野党6党は中道左派・共和人民党(CHP)のクルチダルオール党首を大統領選の統一候補として擁立することで合意。選挙では「強権統治の是非」が最大の争点となりそうだ。
 エルドアン氏は6日の演説で、2月6日に大地震に見舞われたトルコには「政治の安定」が不可欠だと強調。大統領選での自身の勝利が被災地の円滑な復興に資すると訴えた。一方で「(地震の混乱に乗じて)政府に反対するよう国民を扇動する者たちを注視している」と警告した。
 これに対し、野党6党は大統領選の公約の柱として「強権統治の打破」を掲げる。エルドアン氏が2017年の憲法改正で実現させた実権型大統領制を廃止し、以前の議院内閣制に戻すと訴えている。クルチダルオール氏は今月6日、6党による擁立決定を受け「(国民の)抑圧に終止符を打つ。対話と合意に基づきトルコを治める」と強調した。
 議会選では、エルドアン氏のイスラム系政党・公正発展党(AKP)と極右政党による与党連合と、CHPなどの野党6党が過半数を争う。過去20年にわたって政権の座にあるエルドアン氏やAKPの人気は地方を中心に根強いものの、最近のインフレ激化で支持離れが進んでいる。
 大統領選での勝敗の鍵を握るのが、双方と距離を置いてきた少数民族クルド系野党、国民民主主義党(HDP)の動向だ。HDPのサンジャル党首はクルチダルオール氏について、野党6党の今後の対応次第では「支持することもあり得る」と述べた。野党6党とHDPが連携すれば、与党側にとって大きな脅威となる。

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