英、ノルウェーに基地設置 北極圏でロシアとにらみ合い
2023年03月09日15時22分
【ロンドン時事】英海軍は8日、ロシアと国境を接するノルウェーの北部に基地を新設したと発表した。ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアと西側諸国が対峙(たいじ)する北極圏における安全保障上の懸念が高まっていることを受けた措置。地域での英軍のプレゼンスを高める狙いもある。
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新基地は「キャンプ・バイキング」の名称で、ノルウェー北部トロムセの約65キロ南方にあるノルウェー軍基地の隣に位置する。今冬は1000人規模の部隊が「極度の寒さの中で戦う場合」に備える目的で展開。ただノルウェーが外国部隊の常駐を認めていないため、10年間の期間限定での設置となる。
北極圏では近年ロシアが軍備増強を進め、圏内の西側諸国は警戒を強化。ノルウェーの隣国スウェーデンとフィンランドも、ウクライナ侵攻後に北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請し、北極圏はNATOとロシアで二分する形となっている。
英海軍は声明で「新基地の位置は地域が直面する脅威を抑止するために理想的だ。NATOの北部方面を守る必要が生じた場合に即応が可能となる」と意義を強調した。