「自動音声」で架空請求 NTTファイナンスかたる電話―相談急増、SMSの2倍に
2023年03月07日07時05分
NTTグループ各社の通信料金を請求する「NTTファイナンス」(東京)をかたり、自動音声ガイダンスで滞納料金などを架空請求する不審な電話が全国で相次いでいる。同社への相談件数は、これまで主流だったショートメッセージサービス(SMS)を送り付ける手口の約2倍に上り、担当者は「自動音声で料金滞納を通知することはない。着信があれば疑ってほしい」と注意を呼び掛けている。
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同社によると、架空請求などの相談はSMSを使った手口に関するものが大半だったが、昨年10月ごろから自動音声の電話がかかってきたとの相談が急増。11月は772件、12月は637件に上り、今年1月も482件と高止まりしている。同月までの3カ月間に寄せられた相談件数は、SMS(計887件)より約1000件多かった。
実際に金銭をだまし取られる被害も、各地で確認されている。
愛知県警によると、同県稲沢市の30代女性の携帯電話に今年2月、番号非通知で着信があり、出ると「料金の滞納がある」と自動音声が流れた。ガイダンスに従ってボタンを押すと、NTTファイナンス社員を名乗る男につながり、「費用を支払えば裁判を差し止められる」などと言われ、電子マネー30万円分をだまし取られたという。
島根県浜田市でも昨年11月、20代の女性が同様の手口で30万円を支払わされる被害があった。
自動音声ガイダンスを利用した架空請求が急増した背景について、捜査関係者は「不審に思えば電話を切るため、だまされた人にだけつながり効率的だからではないか」と分析する。SMSによる手口も引き続き横行しており、愛知県警の担当者は「電話番号や支払い方法に不審な点がないか確認してほしい」としている。