石垣島の新設駐屯地、車両搬入 150台、反対派抗議―沖縄
2023年03月05日17時58分
沖縄県・石垣島で5日、新設される陸上自衛隊石垣駐屯地に約150台の車両が搬入された。地対艦・地対空誘導弾(ミサイル)の発射装置を搭載したとみられる車両もあり、配備に反対する市民らが「島を戦場にするな」と抗議の声を上げた。
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同駐屯地は16日に開設され、ミサイル部隊などの約570人が配属される予定。車両は2月末から民間貨物船で石垣港へ順次陸揚げされ、同港周辺に留め置かれていた。
午前7時ごろ、車両が移動を始めると反対派約30人が立ちはだかった。「戦争への道は開けられない」と県警機動隊ともみ合ったが、30分ほどで強制退去させられた。車列は港から市街地を抜け、開設予定地まで公道約14キロを走行。搬入作業は午前11時ごろ完了した。
石垣市内では反対派約140人が集会を開き、「ミサイル基地は要らない」とシュプレヒコールを上げて市街地を練り歩いた。市内在住の女性(49)は「島民が盾にされているようだ」と憤り、配備の是非を問う住民投票の条例案を否決した市議会の姿勢も批判した。
一方、車列やデモ行進を見詰めていた市内の建設業男性(57)は駐屯地工事にも携わったといい、「配備は好ましくないが、国境だから仕方ないという諦めが大きい」と話した。機動隊と反対派がもみ合う光景に「そこまでして必要なものなのか」と漏らした。