中国報道官、国防費増「大国の責任」 全人代、5日開幕
2023年03月04日20時32分
【北京時事】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が5日、開幕する。王超・全人代報道官は4日の記者会見で、開幕に合わせて公表される国防予算について、「大国の責任」を果たすために増額が必要だと強調。具体的な増額幅には言及しなかったが、「適度で合理的だ」として軍事拡張路線の継続を示唆した。
王氏は国防予算を増額する理由として、「複雑な安全保障上の挑戦」への対処も挙げた。また、外交政策に関しては、ハイテク分野を巡る米国の制裁などを念頭に、「一部の国が法律を悪用し、外国の団体や個人を恣意(しい)的に抑圧している」と非難。中国の主権と安全、発展の利益を損なう行為への対抗措置は「正当で必要だ」と語り、対応を急ぐ考えを示した。
全人代常務委が昨年末、香港国家安全維持法(国安法)違反罪の裁判に関連し、初の法解釈を示したことに関しては「国安法で遭遇した問題を適時適切に解決した」と主張した。
今年の全人代の会期は13日までの9日間。新型コロナウイルスの流行前は例年10日程度の会期だったが、感染が広がった2020~22年は期間を7日間に短縮していた。初日に経済成長目標が公表され、7日に秦剛外相が初めて記者会見に臨む。首相をはじめとする政府高官の人事を正式決定して閉幕する。