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炊き込みご飯は「恩返し」 中国で迫害のウイグル族―トルコ地震

2023年03月05日07時02分

大地震の被災者に炊き込みご飯を振る舞うウイグル族の若者(右)=3日、トルコ南部カフラマンマラシュ

大地震の被災者に炊き込みご飯を振る舞うウイグル族の若者(右)=3日、トルコ南部カフラマンマラシュ

 【カフラマンマラシュ(トルコ)時事】中国で迫害を受けてトルコに亡命し、故郷を追われたウイグル族の人々が、トルコ大地震の被災地カフラマンマラシュ県に「恩返しをしたい」と駆け付けた。家を失った人々が滞在するテント村で連日、ウイグル料理の炊き込みご飯を振る舞っている。被災者たちは3日、「本当にありがたい」と笑顔を見せていた。

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 調理場となっているテントには五つの大鍋。鍋の中からは、刻んだ牛肉や羊肉、ニンジンをひよこ豆や干しブドウと共にスパイスを加えて調理したご飯の芳香が漂う。鍋の一つを出店のカウンターに置き、若者たちが手際よく容器に小分けしていくと、人々が集まってきた。
 近くに座ってご飯を食していたムサ・ウズムさん(49)は「ウイグル料理はここで初めて食べたけど、とてもおいしい。きょうは2回目だ」と満足顔だ。ドネ・ジェイハンさん(38)は「具材がたっぷり」と頬張っていた。
 ウイグル族の支援チームは、被災地に近い中部カイセリの居住者を中心に、トルコ各地から集まった約30人で始動。取りまとめ役のオメル・トゥムチュルクさん(55)らは大地震発生から2日後の2月8日にカイセリから到着した。昼食時には毎日、1000食分以上の炊き出しを行う。
 トゥムチュルクさんは「私の両親たちが1960年代に来て以降、トルコの人々はウイグル族をいつも歓迎してくれる」と話し、今回の支援は「同胞としての義務」と言い切る。
 ウイグル族はトルコ人と民族的なつながりが深い。中国・新疆ウイグル自治区での民族差別的な政策で生活が困難になった人やその子孫、約5万人がトルコで暮らしている。

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