総務省働き掛け認める 「放送法文書」一部裏付け―礒崎元首相補佐官
2023年03月04日11時09分
自民党の礒崎陽輔元参院議員は4日までに、放送法が定める政治的公平性の解釈を巡り、安倍政権の首相補佐官時代に総務省に働き掛けたことをツイッターで認めた。立憲民主党の小西洋之参院議員が入手した総務省の内部文書とされる資料に書かれた内容の一部が裏付けられた形だ。
総務省は安倍政権時代、政治的公平性について「一つの番組ではなく番組全体を見て判断する」との解釈に「一つの番組でも判断できる」との解釈を加えた。資料には当時の首相官邸が総務省に圧力をかけた経過が記録されている。
礒崎氏は3日の投稿で「首相補佐官在任中に、政治的公平性の解釈について、総務省と意見交換したのは事実だ。政府解釈では分かりにくいので、補充的説明をしてはどうかと意見した」と指摘。「数回にわたって意見交換し、それらの経緯も踏まえ、総務相が適切に判断した」と記した。
資料には「この件は俺と総理が2人で決める話」との礒崎氏の発言も記されている。この点について礒崎氏は「総務省が『官房長官にも話をすべきだ』と言ってきたから『それは私の仕事ではない。総務省の仕事だ』と伝えたものだ」と説明。資料が実際の内部文書かどうかの評価は避けつつ、文書漏えいなら「公務員の懲罰の対象となる可能性がある行為だ」と記した。
資料について岸田文雄首相は3日の参院予算委員会で「正確性が定かでない」と答弁。当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相は「全くの捏造(ねつぞう)文書だ」と指摘し、捏造でなければ衆院議員を辞職する考えを示した。