大成と鹿島、二審も有罪 リニア談合、被告側控訴棄却―東京高裁
2023年03月02日12時49分
リニア中央新幹線工事を巡る談合事件で、独禁法違反(不当な取引制限)罪に問われ、一審で有罪とされた大成建設の元常務執行役員、大川孝被告(72)と鹿島の元土木営業本部専任部長、大沢一郎被告(65)、法人としての両社の控訴審判決が2日、東京高裁であった。石井俊和裁判長は、談合を認定して両被告に懲役1年6月、執行猶予3年、大成と鹿島に各2億5000万円の罰金を言い渡した一審東京地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。
控訴審で、弁護側は「発注者のJR東海が特定業者への発注を決定し、競争は存在しなかった」と主張。これに対し、石井裁判長は「技術力を持つ4社の協力を得なければならなかったが、将来的な競争に当たって有利になり過ぎないよう配慮しており、受注業者を決めていたとは認められない」と指摘。一審の判断に誤りはないと結論付けた。