「罪背負うしかない」 博多女性刺殺、被告と接見―福岡
2023年03月02日07時30分
福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で1月、会社員川野美樹さん=当時(38)=が刺殺された事件で、殺人などの罪で起訴された元交際相手の寺内進被告(31)が1日までに、福岡拘置所で時事通信の接見に応じた。事件当日は川野さんと偶然会ったとし、口論となって刺したが「人を殺すとは思わなかった。罪を背負うしかない」と述べた。
福岡県警によると、川野さんは昨年4月から寺内被告と交際していたが、同10月以降、被告との関係解消やストーカー被害について県警に複数回相談していた。
寺内被告は川野さんが県警に相談したことを知り、「ショックだった」と怒りを募らせたという。被告は翌11月、県警から警告を受けていたのに川野さんの職場に押し掛けたとして、ストーカー規制法に基づく禁止命令を受けている。
今年1月16日の事件当日は、川野さんと偶然出会い、自分から声を掛けたと説明した。その後、口論となって護身用に持っていた包丁で刺したとし、逃亡した理由については「頭が真っ白になっていた」と話した。
事件を振り返って「(自分が)人を殺すとは思わなかった」と述べ、「フラッシュバックして、薬に頼らないと眠れない」と明かした。
今後開かれる公判では「罪を背負うしかない」と話した。川野さんと遺族に対しては「理由はどうであれ、日常を奪ってしまい申し訳ない」と述べ、謝罪の手紙を書いているという。
県警は、寺内被告をストーカー規制法違反容疑でも追送検する方針。