「競争法違反」一部取り下げ　米アップル音楽配信巡り―欧州委

　【ブリュッセル時事】欧州連合（ＥＵ）欧州委員会は２８日、スマートフォンなどの音楽配信サービスの課金システムを巡り、米アップルがＥＵ競争法（独禁法）に違反した疑いがあるとした予備的見解の一部を取り下げたと発表した。今後は、利用者にとって配信料が安くなる手段を、アップルが制限している疑いに絞って調査する。

スマホＯＳ、２社寡占を問題視　自社アプリ優遇防止へ法整備提言―公取委

　欧州委は、アップルがスマートフォン「ｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）」やタブレット端末「ｉＰａｄ（アイパッド）」でダウンロードして利用する他社製アプリを通じた音楽配信に対し、アップル独自の決済システムの利用を義務付けていることなどを問題視。２０２１年に「市場の競争をゆがめている」との見解を示した。
　欧州委はこの日の発表で、アップルの決済方法について「もはや見解は示さない」と表明した。ただ具体的な理由は説明していない。
　ロイター通信によると、アップルは欧州委の対応を歓迎。「懸念に対処する」との見解を示したという。