原発「60年超」を閣議決定 福島事故後のルール緩和、活用へかじ―GX脱炭素電源法案
2023年02月28日19時34分
政府は28日の閣議で、既存原発の「60年超」運転を事実上可能とする制度整備を盛り込んだ「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」を決定した。東京電力福島第1原発事故後に「原則40年、最長60年」と定めた現行の運転期間ルールを緩和。原発を最大限活用する方針にかじを切る。ただ、長期運転に伴う経年劣化など安全性への懸念も根強い。
法案は、電気事業法(電事法)と原子炉等規制法(炉規法)、原子力基本法など5本の改正案を一本化した「束ね法案」。これまで炉規法で規定していた原発の運転期間ルールは、新たに電事法で明記した。「原則40年、最長60年」を基本としつつ、安全審査などによる停止期間をカウントしないことで、事実上の「60年超」運転を認める。