政府会合「料理一品だけ」 デフォルト回避へ抑制策―パキスタン
2023年02月27日13時32分
【ニューデリー時事】政府会合で振る舞う料理は一品だけ、閣僚らの自主的給与返上も。経済危機下にあるパキスタンはデフォルト(債務不履行)を回避するため、新たな歳出抑制策を打ち出した。政府機関の全部門で15%の経費削減も行い、日本円で年間約1050億円を節約する計画だ。
デフォルトの瀬戸際に IMF融資遅れ、外貨不足に拍車―パキスタン
「国民の痛みと苦悩を理解していると知ってもらうため」。地元紙ドーン(電子版)によると、シャリフ首相は抑制策を発表した22日の記者会見でこう述べた。閣僚には自腹での公共料金支払いやエコノミークラスの利用も求める。内閣の人数削減も行うという。
石油などを輸入に依存するパキスタンは世界的な燃料価格高騰を受け、外貨が枯渇。中央銀行が保有する外貨準備高は17日時点で輸入額の1カ月分に満たない約33億ドル(約4500億円)となり、適正水準とされる3カ月分に及ばない。
政府は昨年以降、外貨節約のため輸入額の大きい紅茶の消費抑制を国民に訴えたり、商業施設の閉店時刻を早めたりといった対策を講じてきた。一方で急激なインフレが国民生活を苦しめており、今年1月の物価上昇率は48年ぶりの高水準に達した。
厳しい緊縮策を求める国際通貨基金(IMF)との交渉は難航し、直近の融資に遅れが生じている。格付け大手フィッチは、パキスタンについて「デフォルトまたは債務再編の可能性がますます高まっている」と警鐘を鳴らした。