米韓高官、原潜施設を合同視察 北朝鮮に核抑止力誇示
2023年02月25日07時12分
【ソウル時事】米韓両国の国防当局高官は23日、米南部ジョージア州キングズベイ海軍潜水艦基地を訪れ、原子力潜水艦訓練施設を合同で視察した。両国国防当局が24日に発表した。同施設への米韓合同視察は初めて。弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対して、核を含む米国の戦力で韓国を守る「拡大抑止」の強化に向けた取り組みを誇示する狙いがある。
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する原潜は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、戦略爆撃機と共に「核の3本柱」を構成する。合同視察は、北朝鮮の核使用を想定した22日の合同机上演習に続いて実施された。
米側は発表で「北朝鮮の攻撃を抑止するため、韓国と協力していく」と強調した上で、朝鮮半島周辺に核戦力を柔軟に展開し続けると表明。さらに、北朝鮮が核攻撃に踏み切れば、「(米韓の反撃により)体制の終わりを迎える」と警告した。
一方、北朝鮮外務省は24日、朝鮮中央通信を通じてクォン・ジョングン米国担当局長の談話を出し、米韓の机上演習や合同視察を非難した。同局長は「米国が敵対的で挑発的な行いを続ければ、わが国への宣戦布告と見なされる可能性がある」と主張した。
同局長はまた、国連安全保障理事会が20日、北朝鮮による18日のICBM発射について討議したことにも反発。「安保理がわれわれの自衛権を再びテーブルに上げる場合には相応の強力な対応を伴う」と軍事挑発を示唆した。