ニプロ子会社に改善命令 注射剤の検査で不正―秋田県
2023年02月24日18時14分
ニプロは24日、医薬品の製造子会社ニプロファーマ(大阪府摂津市)が大館工場(秋田県大館市)で製造している注射剤の試験検査で不正があったとして、秋田県から医薬品医療機器法違反による業務改善命令を受けたと発表した。命令は、原因究明と法令順守体制の再構築、改善計画の策定が柱。
ニプロファーマによると、大館工場で2019年から21年8月にかけ、一部の注射剤の試験検査で、規格不適合の検査結果が出たのに規格に適合していると虚偽の記録を作成していた。検査を行わずに記録を作成するケースもあった。ただ、注射剤の品質に問題はなく、健康被害の報告もないという。
不正は21年8月、委託元の製造販売業者の監査で発覚した。
ニプロファーマは、検査担当者1人の独断によるもので、会社や工場の関与はなかったと説明している。
秋田県によると、行政処分の対象は42品目あり、同社が適切な管理者を配置しなかったとみている。県は「自主的に見抜けなかった会社の体制は問われるべきだ」とコメントした。
佐竹敬久知事は24日の記者会見で、「医療関係、命を守る業界でこういったことがあったのは残念。まずはしっかり反省し、ルールを守ってほしい」と話した。