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避難の50代女性、日本語学習に奮闘 同年代と「つながり」求める―ウクライナ侵攻1年

2023年02月20日13時34分

日本語の勉強に励むスヴィトラナ・ナウメンコさん=1月24日、東京都中野区

日本語の勉強に励むスヴィトラナ・ナウメンコさん=1月24日、東京都中野区

  • スヴィトラナ・ナウメンコさんの日本語学習ノート=1月24日、東京都中野区

 ロシアの侵攻を受けたウクライナでは難を逃れようと多くの人が国を離れ、日本は避難民を積極的に受け入れた。日本で先行きの見通せない避難生活が1年近く続く中、人との「つながり」を求め、日本語の学習に奮闘する50代の女性の姿があった。

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 ◇孤独感は消えず
 「これは、ほん、ですか?」「あなたは、たむらさん、ですか?」。東京都の中野区国際交流協会の一室では、スヴィトラナ・ナウメンコさん(53)が日本語を繰り返し練習していた。ウクライナから日本に逃れた避難民の一人で、日本で働く息子を頼り、娘と共に北東部スムイから東京へ避難した。
 スヴィトラナさんは、日本で話のできる友人づくりに苦心している。同年代の避難民で日本に住む友人は近くにおらず、会えるのは月数回。自身は都内の物流会社で働いており、ウクライナの友人とは時差などがあり連絡が取りづらいという。
 「(英語を話す)娘は多くの友達がおり、息子も仕事があり忙しい」と孤独感を募らせるスヴィトラナさん。「気持ちを共有し合える同年代のつながりがあれば精神的な助けになるかもしれない」と考えている。
 職場などで「優しく話し掛けてくれる日本人に答えられない」と、今ももどかしさを感じている。しかし、協会での学習の成果で「簡単な単語は分かるようになり、どんな話題なのか予想がつくようになった」と前向きに受け止められることも出てきた。
 ◇言葉を超えた交流に期待
 協会で日本語を教える田村雅子さんは、スヴィトラナさんが初めは一人で来ることを怖がっていたが、「やはり勉強したい」と毎週通うようになったと振り返る。宿題を欠かさずこなし、ノート1冊にひらがなをびっしりと書いて練習する姿勢に「本当に勉強熱心だ」と舌を巻く。
 田村さんは、スヴィトラナさんに同年代の日本人とも交流する機会が必要ではないかと感じており、「日本で料理など言葉を超えてできることがあれば」と期待を込める。協会の担当者の田島実恵さんは「言葉が分かれば、できることが増える。少しでもストレスを軽減してもらえるよう見守りたい」と語った。

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