米、ロシアの「人道の罪」非難 中国、気球撃墜に反発―ミュンヘン安保会議2日目
2023年02月18日22時28分
【ミュンヘン時事】ドイツ南部ミュンヘンで開かれているミュンヘン安全保障会議は18日、2日目の議論を行い、ロシアの侵攻が続くウクライナ情勢や中国の偵察気球問題を協議した。ハリス米副大統領は演説で、ロシアによるウクライナの一般市民への「広範で組織的な攻撃」を非難し、「ロシアは人道に対する罪を犯した」と断言した。
ロシアのウクライナ侵攻から1年となるのを前に、米国はロシアの「戦争犯罪」を追及する姿勢を明確にした。ハリス氏は市民への拷問や性暴力などを具体的に例示した。
一方、中国外交トップの王毅・共産党政治局員も登壇した。中国の気球を米軍が撃墜したことについて「戦闘機を使ってミサイルで気球を撃墜するのはヒステリックであり、力の乱用だ」と米国を批判した。
王氏は「気球は民間のものだ」と改めて主張。「空にはたくさんの気球があるが、米国は一つずつ撃ち落とすのか。こんなばかげたことはもうしないように米国に求める」とくぎを刺した。
ハリス氏は演説で、中国の気球問題に一切言及しなかった。米中関係が緊張する中、バイデン米大統領は中国の習近平国家主席とこの問題で話し合う意向を示しており、歩み寄りを模索している可能性がある。会議と並行してブリンケン米国務長官と王氏の会談が行われるかも注目される。