日銀人事「物価目標の実現念頭」 岸田首相、日米核共有は否定―衆院予算委
2023年02月15日12時12分
岸田文雄首相は15日午前の衆院予算委員会で、日銀総裁に経済学者の植田和男氏を起用する人事案について「構造的な賃上げを伴う経済成長と、物価安定目標の持続的な実現に向けて取り組む方を念頭に検討を行った」と述べた。14日の国会提示後、首相が人事案について発言したのは初めて。
サプライズ人事が映した構造問題 日銀総裁に植田氏就任へ【解説委員室から】
首相は「日銀には引き続き政府との連携の下、適切な金融政策を行うことを期待している」と強調。その上で「主要国中央銀行トップとの緊密な連携、内外の市場関係者に対する質の高い発信・受信力が重要となっている点も考慮し、国際的にも著名な植田氏を選任した」と説明した。自民党の上野賢一郎氏への答弁。
米国の核兵器を共同運用する「核共有」については「認められず、議論することは考えていない」と明言。「専守防衛、非核三原則はしっかりと維持しなければならない」とも述べた。自民党の石破茂元幹事長への答弁。
立憲民主党の枝野幸男前代表は、原発の運転期間を延長する政府方針を疑問視。首相は「安全性の基準をクリアしなければならないのは全く変わらない。安全より利用を優先するとの指摘は当たらない」と反論した。