詐取金、地下銀行で送金か 比拠点幹部、複数手段で回収―全国連続強盗・警視庁
2023年02月15日08時21分
全国で相次ぐ強盗事件の指示役が関与したとみられる特殊詐欺グループを巡り、メンバーが国内で回収した詐取金を送金履歴の追跡が難しい「地下銀行」を使って、幹部らがいるフィリピンに送金していた疑いがあることが14日、捜査関係者への取材で分かった。
フィリピン拠点、摘発時に数十人逃亡 リーダー格、特殊詐欺継続か
グループは飛行機でも現金を運搬しており、警視庁はフィリピンにいる幹部らが複数の手段で詐取金を回収していたとみて調べている。
大阪府警は2019年11月までに、高齢女性名義のキャッシュカードで現金250万円を不正に引き出したとして、グループメンバーの複数の男を逮捕した。
捜査関係者によると、詐取金は韓国籍の男2人が東京都内で受領。地下銀行を通じ、フィリピンに不正送金したとみられる。送金前、同国のグループ幹部に「金額に間違いはないか」などと繰り返し確認していた痕跡もあった。2人は既に韓国に帰国したという。
グループは渡辺優樹容疑者(38)がリーダー格で、これまでに少なくとも2300人から60億円超を詐取したとみられている。同容疑者の当時の交際相手に飛行機で、数千万円単位の詐取金を繰り返し運搬させていたこともこれまでに分かっている。
一連の強盗事件では渡辺容疑者らグループ幹部が「ルフィ」や「キム」などと名乗り、フィリピンから実行役に指示を出していた疑いがある。同じ指示役が関与したとみられる昨年12月の東京都中野区の強盗事件では、容疑者の1人が事件後にフィリピンへ渡航しており、警視庁は強奪金を運んだ可能性もあるとみて調べている。