死者2万5000人超 「奇跡の救出」日本も貢献―トルコ地震
2023年02月11日23時58分
【ハタイ(トルコ)時事】6日に起きたトルコ大地震による死者は11日、トルコ国内だけで2万1000人に達した。エルドアン大統領が発表した。隣国シリアと合わせた死者は2万5000人を超えた。倒壊した建物の捜索活動がほとんど行われていない被災地もあり、犠牲者数はさらに増えるとみられている。
「次の大地震が怖い」 公共施設に避難者1000人―トルコ被災地
一方、甚大な被害を受けたトルコ南部カフラマンマラシュ県では11日、約130時間ぶりに女児ベレン・ダルクランさん(6)がトルコ軍に救出された。関係者によると、近くで作業をしていた日本の国際緊急援助隊・救助チームが生存を確認した。
トルコでの負傷者は10万人以上で、シリアでも数万人が負傷しているもようだ。国連世界食糧計画(WFP)は10日付の声明で「温かい食べ物」を必要としている地震の避難民が少なくともトルコに59万人、シリアに28万4000人いると指摘した。
ロイター通信によると、国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)はカフラマンマラシュ県を訪問。被災状況について、11日の記者会見で「この地域では過去100年で最悪の惨事だ」と語った。
一方、行方不明の被災者の生存率が急激に下がるとされる「地震発生から72時間」が経過した後も、がれきの中からの「奇跡の救出」(トルコメディア)が相次いだ。
オクタイ副大統領は10日深夜、トルコでは「過去24時間で67人ががれきの下から助け出された」と述べた。11日もベレンさんのほか、南部ハタイ県でも2歳の女児が122時間ぶりに発見、搬送されるなどした。AFP通信によれば、シリアでも10日に6歳の男児ら4人が救出された。
ハタイ県などでは、被災した店舗から一部の住民が商品を略奪しているとされ、治安悪化も懸念される。市民から食料品やおむつなど大量の支援物資をだまし取ろうとした男の身柄がハタイ県で拘束されている。