造船作業で石綿被害 元従業員ら国を提訴―大阪、札幌地裁
2023年02月10日16時51分
造船作業でアスベスト(石綿)の粉じんを吸い、悪性中皮腫などを患ったとして、造船会社の元従業員や遺族ら計11人が10日、計1億円余りの損害賠償を国に求める訴訟を大阪、札幌両地裁に起こした。弁護団によると、造船作業の従事者が国の責任を問う訴訟は初めてという。
訴状によると、石綿による被害を受けたと主張する造船関連会社の元従業員や個人事業者「一人親方」は計8人。1953~2003年、船舶の修繕や内装工事に従事し、後に悪性中皮腫や肺がんなどと診断された。
船舶では断熱材や内装材に石綿が多く使用されており、原告側は、国が造船現場も建設現場と同様に粉じんにさらされることを把握していながら、マスク着用の義務付けなどの規制を怠ったと主張している。