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「割り付け表」入札1年前から 電通作成、元次長が意向確認―東京地検押収・五輪談合

2023年02月10日07時05分

 東京五輪・パラリンピックの会場運営業務を巡る談合事件で、広告最大手「電通」が入札1年余り前の2017年春ごろから各競技団体に実績のある企業名の聞き取りを始め、競技会場ごとに受注予定企業名を記した「割り付け表」を作成していた疑いのあることが9日、関係者への取材で分かった。

意中の企業に随意契約検討 組織委元次長と電通側―五輪談合400億円に

 関係者によると、大会組織委員会大会運営局の元次長、森泰夫容疑者(55)=独禁法違反容疑で逮捕=は東京地検特捜部の調べに、自ら各社の意向を確認し、電通が割り付け表を作成していたことを認めているという。
 特捜部と公正取引委員会は一覧表を押収しており、森容疑者が電通元幹部の逸見晃治容疑者(55)=同=らと話し合いながら受注企業を選定していたとみて調べを進めている。
 森、逸見両容疑者はイベント大手「セレスポ」専務の鎌田義次(59)、同「フジクリエイティブコーポレーション」(FCC)専務の藤野昌彦(63)両容疑者=同=らと共謀し、18年2~7月に計7社との間でテスト大会計画立案業務や本大会運営業務の受注予定企業を決定するなどして談合した疑いが持たれている。
 関係者によると、テスト大会実施の話が持ち上がった17年春ごろ、電通が各競技団体にヒアリングを始め、競技ごとに実績のある企業をリストアップ。同年冬までに東急エージェンシーなど一部代理店にも聞き取った上で内容を更新し、翌18年1月、組織委大会運営局に一覧表を送信した。
 森容疑者はこの一覧表を基に各社の担当幹部らと面談。飲食を共にすることもあり、「ここはお宅でやってもらえますね」と伝えたり、希望が競合した場合は「他社に決まっている」と言って応札しないよう促したりしたという。
 企業側とのやりとりは逸見容疑者らに伝えられ、電通がその都度、一覧表を更新した。作業は同4月まで続き、各社間で「単独応札」も合意された。同5~8月に行われた計画立案業務の入札はほぼ予定通りの社が落札し、受注規模は随意契約で委託を受けた本大会などの運営業務も含めて計約400億円に上った。

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