ICBMや戦術核部隊誇示 軍事パレード、新兵器も登場―北朝鮮
2023年02月09日18時09分
【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮人民軍創建75周年を記念する軍事パレードが8日夜、平壌の金日成広場で行われた。朝鮮中央通信が9日報じた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)や戦術核運用部隊が登場し、日米韓をけん制。固体燃料型のICBMとみられる新型兵器も姿を見せた。
同通信はICBMが「国防力の発展と、わが国最大の核攻撃能力を誇示した」と強調した。ICBMは米本土を射程に収める。戦術核運用部隊は、韓国や在日米軍への短距離弾道ミサイルによる戦術核攻撃を想定したものだ。
北朝鮮の軍事パレードは昨年4月以来。北朝鮮メディアが伝えたパレードの画像には、ICBM「火星17」や9軸18輪の移動式発射台(TEL)に載った新型ミサイルが映っている。
日韓の北朝鮮専門家は、この新型ミサイルを固体燃料型のICBMと推定している。燃料注入に時間のかかる既存の液体燃料型に比べ、固体燃料型は迅速な発射が可能。北朝鮮は固体燃料型のICBM開発を今年の目標に掲げている。
金正恩朝鮮労働党総書記はパレードを観覧したが、演説はしなかった。正恩氏は黒い中折れ帽子とコート姿。祖父で「建国の父」の故金日成主席を「連想させる装い」と韓国メディアは伝えており、軍や住民の忠誠心を高めるための演出と考えられる。娘のキム・ジュエさんや李雪主夫人が正恩氏に同行した。