「尊敬するお子様」と娘紹介　正恩氏後継者との分析も―北朝鮮

　【ソウル時事】北朝鮮メディアは８日、金正恩朝鮮労働党総書記の娘のキム・ジュエさんを「尊敬するお子様」と紹介した。「尊敬する」は国の最高指導者に使われる敬称で、ジュエさんへの使用は初めて。一部専門家はジュエさんが正恩氏の後継者と分析した。

〔写真特集〕北朝鮮　金正恩氏

　ジュエさんは７日、朝鮮人民軍創建日（建軍節）を前にした祝賀会に出席した正恩氏に同行した。北朝鮮メディアがジュエさんの動向を報じるのは４回目になる。この間、呼称は「愛するお子様」から「尊貴なお子様」に変化し、今回はさらに位置付けが高まった。
　ジュエさんが昨年１１月に初めて公の場に現れて以来、１０歳前後の少女を後継者と見るかは専門家の間で意見が割れている。韓国の情報機関・国家情報院は先月、「ジュエさんの同行は世襲政治を続けるという正恩氏の意志を示すもの」と国会に報告。一方、長男ら複数いるとされる子供の中でジュエさんが後継者に選ばれたという判断は時期尚早と指摘した。
　北朝鮮メディアは今回、ジュエさんを中心に李雪主夫人と正恩氏が左右に座る写真なども報じた。韓国の鄭成長・世宗研究所統一戦略研究室長は、北朝鮮がジュエさんの存在を浮上させようとしており「後継者に内定したことは疑う余地がない」と強調した。