学童保育に保育所・幼稚園活用 子ども居場所づくりで提言―厚労省専門委
2023年02月08日21時03分
厚生労働省の専門委員会は8日、会合を開き、子どもの放課後の居場所づくりに関する論点整理案をまとめた。共働き家庭の小学生らを預かる放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童解消のため、保育所や幼稚園の空きスペース活用を含めた受け皿の拡大を提案。障害のある子どもについても学童保育で積極的に受け入れるよう求めた。
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厚労省は今年度内に報告書をまとめ、4月に発足するこども家庭庁に議論を引き継ぐ。同庁は、子どもの居場所づくりに関する指針を年内に策定する予定。
同省の実態調査によると、昨年5月時点の学童保育の登録児童数は139万人を超え、過去最多を更新。同月の待機児童数は1万5180人だった。新型コロナウイルスの感染拡大で一時は利用控えもみられたが、再びニーズが高まっている。
論点整理案では、学童保育について「地域によっては保育所・幼稚園の利用児童が減少していることから、空いている場所を活用した設置も視野に入る」と提言。自治体独自の事業や民間の預かりサービスの活用も含め、多様な居場所づくりの検討を求めた。
また、障害児の受け入れ促進のため、市町村に対し、学童保育を所管する部局と障害児支援を所管する部局との連携を強化するよう要望。「障害の有無にかかわらず共に過ごし、互いを理解し合うことは子どもの育成に不可欠なことだ」とし、環境整備の必要性を明記した。