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辣腕、会場運営の要 世界陸上手掛け―森元次長・五輪談合

2023年02月09日07時06分

 独禁法違反容疑で逮捕された東京五輪・パラリンピック組織委員会大会運営局元次長、森泰夫容疑者(55)は日本陸上競技連盟時代に世界選手権などのビッグイベントを手掛けるなどし、五輪・パラ大会でも会場運営の要の存在として辣腕(らつわん)を振るった。

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 複数の関係者によると、横浜国立大の陸上選手だった森元次長は私鉄大手入社後も川崎市内で陸上クラブの運営に携わっていたことで陸連幹部の目に留まり、2004年に陸連事務局入りした。07年の大阪・世界陸上や日本選手権の運営に携わり、運営企画部長などを歴任。当時から知る幹部は「責任感が強く、問題点の指摘は的確だった」と評する。事務局次長だった14年、組織委に派遣された。
 組織委でも手腕は高く評価され、関係者は「大型複合競技の経験がある人は森さんをおいて他にいない」と言う。日本オリンピック委員会(JOC)の関係者は「冬季五輪の札幌開催が決まれば、事務総長の呼び声もあったほど。部下への当たりが厳しく反発を招くこともあったが、強力なリーダーシップが必要だった」と言う。
 ただ、組織委へは「片道切符」とされた。陸連時代に経費の使い方が問題となり、関係者の一人は「体よく出された形だった」と明かす。
 「テストは実施できるだろうか」。新型コロナウイルス禍で1年延期された東京大会。テスト大会が本大会の成否に直結するだけに気をもむ様子も見られたという。
 本大会では陸上トラック競技などが行われたメイン会場の国立競技場、マラソン・競歩コースとなった札幌大通公園の会場責任者を務めた。国立競技場の運営を担ったのはイベント大手「セレスポ」。陸連時代から大会運営を委託し、技術力の高さを評価していた企業だった。

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