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「人魚のミイラ」は見せ物か 倉敷芸科大が最終報告―岡山

2023年02月08日13時31分

円珠院に保存されている「人魚のミイラ」(倉敷芸術科学大提供)

円珠院に保存されている「人魚のミイラ」(倉敷芸術科学大提供)

  • 「人魚のミイラ」のコンピューター断層撮影(CT)画像(倉敷芸術科学大提供)
  • 「人魚のミイラ」の分析結果について記者会見する倉敷芸術科学大の加藤敬史教授(右)ら=7日午後、岡山県倉敷市

 岡山県浅口市の寺院「円珠院」に保存されている「人魚のミイラ」について、倉敷芸術科学大(同県倉敷市)などの研究チームは「魚の皮や紙を使って1800年代後半に作られた可能性が高い」とする分析結果を公表した。研究チームの加藤敬史教授(古生物学)は「当時は見せ物として国内外に流通していたのではないか」と話している。

〔写真特集〕人魚のミイラ 高野山麓の寺宝

 人魚のミイラは体長約30センチで、5本指の両手が顔を覆っているように見える霊長類のような上半身と、魚類のような下半身からなり、木箱に入れて保存されていた。一緒に残された書き付けには「(江戸時代の)元文年間に高知沖で漁網に掛かった」と記されていた。
 研究チームは昨年2月から、エックス線などを用いて科学的に分析。その結果、頭には哺乳類の体毛が付けられ、口は魚の上下のあごが使われていた。上半身の内部は綿や布が入っていて、表面にフグの皮や和紙と石こうを混ぜたとみられる紙を重ねるなどしてあった。下半身は中身をくりぬいたニベ科の魚で、全体が砂や墨で黒く塗られていた。
 7日に記者会見した円珠院の柆田宏善住職は「最初に作った人や、受け継いできた方の思いが宿っている。それを守り、伝えていきたい」と語った。

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