対話AI、競争本格化 米グーグルとMS、検索に活用へ
2023年02月08日09時47分
【シリコンバレー時事】自然な言葉で対話ができる人工知能(AI)の開発競争が本格化している。米グーグルは6日、チャットボット(自動応答システム)「バード」を近く公開すると表明。一方、マイクロソフト(MS)は新興企業オープンAIが手掛ける「チャットGPT」をサービスに取り込む。まずは検索分野に活用される見通しで、最大手のグーグルにMSが挑む構図となっている。
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バードは、膨大な言葉を学習して質疑応答や文章の生成ができる2021年発表の大規模言語モデルを採用。話し言葉で入力された文章を理解し、自動で回答を作成する。
グーグルの公式ブログには、米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡による新発見を子どもに説明する方法を尋ねる問いに、三つの回答例を示す様子が表示された。「AIは正解が一つではない質問に対し、洞察を組み合わせることで役に立てる」。ピチャイ最高経営責任者(CEO)はこう強調する。
これに対し、昨年11月に公開されたチャットGPTは、米名門大の経営学修士(MBA)の試験科目に合格するレベルに到達するなど、性能の高さに注目が集まった。開発元のオープンAIに投資してきたMSが、自社の検索サービスに活用すると報じられている。
分析サイトのスタットカウンターによると、検索エンジンはグーグルが市場シェアの9割を握る。それでも同社がMSの動きに即応したのは、高度なAIの登場が顧客体験を大きく向上させ、競争の構図を変える可能性があるためだ。普及に向け、早くも覇権争いの火ぶたが切って落とされた。