なでしこ、再び世界一を 今夏にサッカー女子W杯
2023年02月05日07時19分
オーストラリアとニュージーランドで共催されるサッカーの女子ワールドカップ(W杯)は7月20日に開幕し、国際連盟(FIFA)ランキング11位の日本(なでしこジャパン)は2011年ドイツ大会以来の世界一を目指す。今大会から出場チーム数が24から32に拡大。1次リーグは8組に分かれて争われ、なでしこはC組でスペイン(FIFAランク7位)、コスタリカ(37位)、ザンビア(81位)と当たる。今月、米国で行われる国際親善大会シービリーブス・カップを皮切りに勝負の年がスタート。8強に終わった21年東京五輪後に就任した池田太監督(52)に思いを聞いた。
◇「喜びと覚悟を持って」=一戦必勝で頂点目指す
W杯カタール大会で活躍した男子の次は、なでしこジャパンの出番だ。チームを率いる池田太監督は「いろいろな人に喜びや感動を与えられる年にしたい」と意気込む。
2011年W杯ドイツ大会で初優勝。しかし、15年カナダ大会の準優勝を最後に、世界のトップには水をあけられている。「まだまだ世界一になれるとはもちろん言えない。目の前の相手に勝利し、その結果、頂点を目指すというのが目標になる」と現実的に捉えている。
昨年は多くの選手を代表活動に呼び、可能性を広く探った。4バックと3バックを試すなど戦い方を模索。「いろいろなことを少しずつ積み上げられた年だった」。その中で一貫して掲げるのが、積極的にボールを奪って攻撃につなげる姿勢だ。
「東京五輪のデータで、ボールを奪う回数は出場国の中でそれほど高くなかった。アグレッシブさを強調するためのコンセプト」「連係、連動して奪うというところ、なでしこの組織的な守備も強み」とスタイルを追求する。
昨年11月には欧州王者イングランドに0―4の完敗を喫し、本番で対戦するスペインにも0―1で敗れた。それでも「自分たちからアクションを起こしたときに、強みが出るのは感じ取れた」と手応えもつかんだ。
カタールで強豪のドイツとスペインを倒した森保一監督のチームづくりから刺激を受け、「細部にわたる準備の大切さを教えてもらった」という。残された時間は半年足らず。「子どもたち、少女たちがサッカーをやりたいという思いになってくれる大会。W杯を戦う喜びとともに責任、覚悟を持って臨みたい」。理想を抱きながら、なでしこの復活を目指す。
▽池田太監督の略歴
池田 太(いけだ・ふとし) 埼玉・武南高から青学大を経てJリーグが開幕した93年に浦和入り。現役時代のポジションはDFで、4年間でリーグ戦53試合に出場して1得点。96年に現役を退き、浦和や福岡でコーチを歴任。17年にU19女子日本代表監督に就任し、翌年のU20女子W杯で初優勝に導いた。21年10月からなでしこジャパン監督。東京都出身。52歳。