「もう埋まりました」　「キム」名乗る人物、実行役選定か―狛江の高齢女性死亡・警視庁

　東京都狛江市の民家で住人の大塩衣与さん（９０）が殺害された強盗殺人事件で、「キム」を名乗る人物から事件前日、都内の別の強盗事件で押収された携帯電話に「欠員が出たら連絡するがもう埋まった」という趣旨のメッセージが送られていたことが３１日、捜査関係者への取材で分かった。

「キム」名乗る人物が指示役か　押収の携帯電話にメッセージ―狛江９０歳女性強殺

　警視庁調布署捜査本部は、「キム」を名乗る人物が、狛江の事件で実行役の選定などに関与した疑いがあるとみて調べている。
　警視庁は昨年１２月の中野区の強盗事件に関与したとして、１月２１日に職業不詳永田陸人容疑者（２１）を逮捕。同容疑者の周辺で押収された携帯電話には、追跡されにくい通信アプリ「テレグラム」を通じ、「キム」との間で同１９日の狛江の事件について交わされたとみられるメッセージが残っていた。
　捜査関係者によると、やりとりは「狛江」の地名とともに事件前日の１８日に交わされ、携帯電話から「キム」に「１２時かと思ってました」とメッセージが送られていた。キムからは「明日は２時」との返信とともに、「欠員が出たらお呼びしますがもう埋まりました」という趣旨の文言もあった。
　永田容疑者は同２０日、足立区内でレンタカーの近くにいるところを発見された。「キム」とのやりとりが残った携帯電話は車内から押収されたが、同容疑者は「自分の物ではない」と説明している。
　レンタカーは狛江の事件の複数の実行役が逃走に使ったものとナンバーが一致。車内からは大塩さん宅から奪われた高級腕時計なども発見されたが、永田容疑者は「友人から金になると言われてもらった」と説明したという。