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トヨタ、個人技から若いチームへ 豊田氏、13年超で退任決断

2023年01月27日07時12分

改造車の祭典「東京オートサロン」に登場したトヨタ自動車の豊田章男社長(手前右)と佐藤恒治執行役員(同左)=13日、千葉市の幕張メッセ

改造車の祭典「東京オートサロン」に登場したトヨタ自動車の豊田章男社長(手前右)と佐藤恒治執行役員(同左)=13日、千葉市の幕張メッセ

 13年超にわたってトヨタ自動車の社長を務めてきた豊田章男社長が退任を決めた。自動車業界が電動化や自動化といった大変革期に直面する中、技術面などの急速な変化に機敏に対応するには、若い世代の力が欠かせないと判断した。今後は豊田社長の「個人技」から、佐藤恒治次期社長を中心とする若いチームに経営を委ねる。

商品力強化、業績回復を実現 相次ぐ危機に対応―トヨタ自動車の豊田社長

 「デジタル化や電動化などを含め、私はもう古い人間だと思う」―。26日の社長交代会見で、豊田氏は退任理由をこう説明した。
 背中を押したのは「兄貴のような存在」と慕う内山田竹志会長の退任だ。同氏は「長くやると老害になりかねない」という信念から退任を申し出たが、同時に豊田氏にも社長を退くことを提案。新たに会長として活躍の場を広げ、「550万人の自動車業界、日本の産業界全体に大きく羽ばたく」よう求めた。
 豊田氏はしばらく逡巡(しゅんじゅん)したが、内山田氏と何度も話し合う中で、世代交代の観点から「私自身が一歩引くことが必要なんじゃないか」と覚悟を決めたという。
 一方、後任の佐藤氏の経営手腕は未知数だ。カーマニアに人気の古いスポーツカーを買うほどの車好きで、豊田社長と波長が合うとされる。社長就任時の年齢も同じ53歳。ただ、トヨタは急速に普及する電気自動車(EV)で出遅れが指摘されており、技術畑出身として戦略の練り直しへ早速手腕が試されることになる。

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