携帯に複数の住所記録　空き巣被害、標的か―東京・中野の強盗容疑者・警視庁

　東京都中野区で昨年１２月に起きた強盗傷害事件を巡り、警視庁に逮捕された職業不詳永田陸人容疑者（２１）の周辺で見つかった携帯電話に、強盗の標的とみられる足立区内の２カ所の住所が記録されていたことが２６日、捜査関係者への取材で分かった。

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　携帯電話からは、１９日に狛江市の自宅で大塩衣与さん（９０）が殺害された強盗殺人事件に絡む情報も見つかっており、警視庁は二つの強盗事件の関連を調べている。
　捜査関係者によると、携帯電話は２０日、足立区内で永田容疑者を職務質問した際、近くにあった銀色の車の後部座席から見つかった。ＳＮＳのやりとりを分析したところ、標的とみられる同区内の２カ所の住所が記載されており、うち１カ所で住宅のガラスが割られるなどの空き巣被害が確認された。記載のあった住宅には１９日、資産状況を聞き出す不審な電話もかけられていた。
　車は狛江の事件の容疑者グループが逃走に使ったものと同一だった。永田容疑者は携帯電話を「自分の物ではない」と供述している。
　近隣の住民によると、職務質問の場所付近では２０日昼ごろ、作業着を着た配達員のような男ら数人が銀色の車から降り、周囲を物色するような不審な動きをしていた。
　警視庁は不審な電話があった１９日、強盗発生を警戒して付近の住民を避難させるなどしており、近所の男性は「怖い。夜も車の音がすると起きてしまう」と不安げに語った。
　一方、警視庁は２６日、中野の事件に関与した疑いで、無職大古健太郎容疑者（３３）＝大阪府藤井寺市道明寺＝を逮捕した。認否を保留しているが、事件前に実行役の男らに段ボールや作業着を手渡すなど現場の管理役だったとみられる。同容疑者は東京都稲城市の強盗致傷事件で運転手役を務めたとして逮捕され、同日釈放されていた。