管理体制強化、全身全霊で　第一生命ＨＤの稲垣精二社長

　「管理体制強化に全身全霊で取り組んでいる」と話すのは、第一生命ホールディングス（ＨＤ）の稲垣精二社長（５９）。２０２０年に発生した元営業職員による巨額の金銭詐取事案を受け、会社全体で再発防止に尽力してきた。２３年４月に会長に退くが、「一番の優先順位でやってきた。手応えも感じている」と力を込める。
　ただ、企業風土の改革は「一朝一夕で変わるものではなく、時間がかかる部分もある」と指摘する。取り組みは一時的なものではなく、継続する必要性も強調。「このエネルギーのまま、後任に託したい」と、再生へのたすきを次世代につなぐ。