中山きくさん死去 94歳元学徒、沖縄戦語り継ぐ

2023年01月13日20時44分

太平洋戦争末期の沖縄戦の戦跡を案内する元白梅学徒の中山きくさん(左)=2016年6月、沖縄県八重瀬町

太平洋戦争末期の沖縄戦の戦跡を案内する元白梅学徒の中山きくさん(左)=2016年6月、沖縄県八重瀬町

  • 中山きくさん

 太平洋戦争末期の沖縄戦で、女学生の看護隊「白梅学徒隊」に動員され、悲惨な地上戦の経験を語り継いできた中山きくさんが12日、がんのため那覇市の病院で死去した。94歳だった。葬儀は17日午後2時から、那覇市銘苅3の22のサンレー那覇北紫雲閣で。喪主は長男章(あきら)さん。

遺骨収集に捧げた60年 沖縄「ガマ」の悲劇

 1945年、沖縄県立第二高等女学校4年だった中山さんは、白梅学徒隊として沖縄本島南部の野戦病院で負傷兵の看護に当たった。米軍が迫り、日本軍が住民を巻き込みつつ南部へ撤退する中で学徒隊は解散。中山さんは手りゅう弾を手渡されたが、自決を思いとどまった。
 戦後は記憶を共有するための語り部として、修学旅行生らに反戦を訴え続けた。米軍関係者によって繰り返される事件や事故への抗議活動にもたびたび関わった。

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