「麻薬王」美化しないで 息子が米映画界に苦言
2023年01月13日14時58分
【サンティアゴAFP時事】コロンビアの巨大麻薬組織首領だった故パブロ・エスコバルの息子セバスティアン・マロキン氏(45)は、米映画界が父の生涯を美化したことで、若者が誤って犯罪者に憧れるようになったと苦言を呈した。サンティアゴで開かれたイベントで語った。
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マロキン氏は「死後30年が過ぎたが、パブロ・エスコバルは生前より多くメディアに取り上げられている」と指摘。一介の犯罪者から「麻薬王」に上り詰めたエスコバルの生涯を描いた米動画大手配信の作品などを挙げ、「多くの若者が、私に『映画を見た。あなたの父のようになりたい』と伝えてくる」と嘆いた。
ブエノスアイレス在住の建築家でもあるマロキン氏は、数十年前から父の姓を嫌い使っていない。「父は何も楽しむことができなかったのだから、成功例として扱うべきではない」「私は自由の身で、父よりずっと豊かだと感じている」などと語った。
エスコバルは1993年、自身が率いる麻薬組織の本拠地だったコロンビアのメデジンで、警官から逃亡中に射殺された。