1平方メートルに最大12人集中 捜査本部が雑踏事故分析―韓国
2023年01月13日19時07分
【ソウル時事】ソウルの繁華街、梨泰院で日本人2人を含む159人が死亡した雑踏事故を巡り、韓国警察庁の特別捜査本部は13日、事故原因の分析結果を公表した。ハロウィーンを前にした人出で、現場近くの狭い路地には一時、1平方メートル当たり最大12人超が密集していたことが判明。捜査本部は予防措置を取らなかったために起きた「人災」と結論付け、大規模な捜査を終え、解散する。
捜査本部によると、過密状態により、亡くなった人は1人当たり約220~560キロの強い圧力を受けたと推定される。体重が50キロの人を想定すると、1人に最大11人分の重さが掛かった計算になる。国立科学捜査研究院や専門家が、周辺の防犯カメラから当時の人数を把握し、シミュレーションから結果を導き出した。死因は圧迫による窒息死や低酸素症などだった。
事故は昨年10月29日に起きた。捜査本部は、急坂の路地で、発生地点の幅が3.1メートルと狭くなっていたことが危険性を高めたと分析。群衆密度が次第に高まり、事故発生の1時間ほど前から、過密状態で人が自分の意志で身動きを取れなくなる「群衆の流体化」現象が顕著になっていったという。