新型EV、移動空間どう変わる? ソニー・ホンダ、車内でプレステも―ニュースQ&A
2023年01月07日14時25分
ソニーグループとホンダが共同出資する新会社「ソニー・ホンダモビリティ」(東京)が電気自動車(EV)の試作車を公開した。戦後の日本を代表する企業同士の異業種連携で移動空間はどう変わるのか。2025年に発売を目指す新型EVの姿が徐々に見えてきた。
―なぜソニーとホンダが組んだのか。
脱炭素を背景にガソリン車をEVに切り替えようとする動きが広がっている。自動運転の普及や情報通信の高度化も見据えると、ソニーのITや半導体の知見は自動車メーカーにとって魅力的だ。EVに新規参入するソニーも車両を生産できるパートナーが必要だった。車造りの常識が大きく変わっている。
―どのような車を造るのか。
ソニーは映画、音楽、ゲームに強みを持っており、車内をエンターテインメント空間として活用することを提案している。米国で公開した試作車の実演では、助手席に座っている人が前方の横長ディスプレーで家庭用ゲーム機「プレイステーション」を楽しむ様子を披露した。
―他にはどのような技術があるのか。
人気ゲーム「フォートナイト」で有名な米エピックゲームズと協業し、オンライン上の仮想空間「メタバース」の活用を探る。拡張現実(AR)により、現実空間にCG(コンピューターグラフィックス)を重ね合わせる経路案内などの技術も開発している。
―車の捉え方が大きく変わりそうだ。
車両の前後には「メディアバー」と呼ぶ細長いディスプレーを配置した。ここにメッセージを表示したり、持ち主が近づくと光の色が変わったりする機能を備えることが可能になる。新会社の川西泉社長は「人とモビリティーの関係を見直し、より双方向的な関係をつくる」と話している。