• ツイート
  • facebook
  • hatena-bookmark
  • コメント

正恩氏「核弾頭を飛躍的増加」 戦術核生産、新ICBM開発も―異例の元日ミサイル発射・北朝鮮

2023年01月01日13時56分

平壌で開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で演説する北朝鮮の金正恩総書記=12月26~31日の間に撮影、朝鮮中央通信が1日配信(AFP時事)

平壌で開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で演説する北朝鮮の金正恩総書記=12月26~31日の間に撮影、朝鮮中央通信が1日配信(AFP時事)

  • 昨年12月31日、北朝鮮が行った「超大型放射砲」の試射(朝鮮通信・時事)
  • 朝鮮労働党の建物前に並んだ北朝鮮の多連装ロケット砲(MLRS)=2022年12月31日、平壌(朝鮮中央通信が1月1日に配信)(AFP時事)
  • 【図解】北朝鮮ミサイル発射

 【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、党中央委員会総会での報告で、2023年に戦術核兵器の大量生産を目指し「核弾頭保有数を飛躍的に増加させる」よう指示した。朝鮮中央通信が1日、報じた。正恩氏は、新たな大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発し、近く初の軍事偵察衛星を打ち上げる方針も表明した。

〔写真特集〕北朝鮮の軍事力~知られざる実力~

 北朝鮮は1日、短距離弾道ミサイル1発を日本海に発射した。元日の発射は異例。12月31日にも日本海に短距離弾道ミサイル3発を撃っていた。同通信は両日に発射した弾道ミサイルについて「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」の試射だったと伝えた。
 「超大型放射砲」は軍需工業部門から党中央委員会総会への「贈呈品」だったという。正恩氏は贈呈式で、このミサイルが韓国全土を射程に収め、戦術核弾頭の搭載も可能だと主張した。
 党総会は平壌で、12月26~31日に開かれた。正恩氏は報告で、米国や敵対勢力が「人類史上類例のない圧殺策動」を実行していると非難。米国や敵対勢力に強硬な対決姿勢で臨む構えを示し、核戦力の強化を強調した。
 新型ICBMについては「迅速な核反撃能力を基本使命とする」と説明した。燃料注入に時間のかかる液体燃料に比べ、短時間で発射できる固体燃料のICBM開発を意味するとみられる。偵察衛星の打ち上げは「最短期間内」に行うという。
 正恩氏はまた、「抑止が失敗した場合には、核武力は第2の使命を決行することになるだろう。第2の使命は防御ではない」と述べ、核の先制攻撃も辞さない考えを改めて示した。
 正恩氏は韓国を「明白な敵」と規定した。日米韓の連携の動きを「アジア版NATO(北大西洋条約機構)のような新たな軍事ブロック形成の動きだ」と批判。一方で、米国と中国やロシアの対立を念頭に「国際関係の構図が『新冷戦』に転換した」と述べた。

関連記事

こんな記事も

政治

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ