「王様」か「英雄」か ペレ対マラドーナ論争、決着つかず―ペレさん死去
2022年12月30日14時24分
サッカー界で最も偉大な選手は王様ペレか、それとも英雄マラドーナか―。これまで世界中で繰り広げられてきた論争だ。
ペレはブラジル代表としてワールドカップ(W杯)に4大会出場し、前人未到の3度の優勝を果たした。2020年に60歳で亡くなったマラドーナは、1986年メキシコ大会でアルゼンチンを世界一に導いたものの、優勝はこの1度。だが、イングランドとの準々決勝でのハンドと判定されずに得点が認められた「神の手」ゴールと、ドリブルでの「5人抜き」ゴールで強烈なインパクトを残した。
国際サッカー連盟(FIFA)が20世紀の最優秀選手を選出しようとした際、インターネットによるファンの投票ではマラドーナが上回った。しかし議論が熱を帯びてサッカー界を二分する事態となり、FIFAは関係者による投票を急きょ実施。ペレが選ばれ、2人とも表彰された。
人格者で知られ、スキャンダルとは無縁のペレは、ブラジルでスポーツ大臣も務めた。一方のマラドーナはコカイン中毒に苦しみ、私生活も奔放で対照的な人柄だった。論争に決着がつかないまま、ペレも82歳でこの世を去った。 (時事)