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海自1佐を懲戒免職 「特定秘密」初の漏えい―OBに周辺情勢説明、書類送検

2022年12月26日16時59分

「特定秘密」漏えい問題で記者会見し、頭を下げる酒井良海上幕僚長=26日午後、防衛省

「特定秘密」漏えい問題で記者会見し、頭を下げる酒井良海上幕僚長=26日午後、防衛省

 特定秘密保護法で定められた「特定秘密」を元上司の海上自衛隊OBに漏らしたとして、防衛省は26日、海自の元情報業務群司令で、現在は幹部学校に所属する井上高志・1等海佐(54)を懲戒免職とした。特定秘密の漏えい発覚は、2014年の同法施行後初めて。自衛隊の警察に当たる警務隊が同日、同法違反容疑などで書類送検した。

懲戒処分、異例の実名公表 情報保全、安保戦略に明記―防衛省

 同省によると、井上1佐は群司令だった20年3月、既に退職していた元自衛艦隊司令官の元海将に、安全保障に関する説明を実施。その内容に特定秘密に指定される周辺情勢に関する情報や、自衛隊法で機密とされる部隊運用や訓練の情報が含まれていた。同省に通報があり、調査していた。
 元海将は同年1月、自身の講演活動などのため「退職後の情勢について正確な情報が知りたい」として、井上1佐と上司ら計3人に協力を依頼。井上1佐が対応することになり、同2~3月に神奈川県横須賀市の自衛艦隊司令部で計3回、二人きりの状況で説明した。資料配布はなく、元海将が第三者に情報を伝えた事実も確認されなかったという。
 井上1佐は「過去に上下関係があり、畏怖の念があった。上司からも実施の指示があり、関心を引く情報を出すべきだと考えた」と話し、漏えいを認めているという。
 元海将は「海自に助言する立場になる」などと情報を促していたが、特定秘密を要求した形跡はなく、特定秘密保護法の禁じる「漏えいのそそのかし」には当たらないと判断した。

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