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来春3補選、政権運営を左右 山口は「ダブル」の可能性

2022年12月23日07時06分

首相官邸に入る岸田文雄首相(中央)=22日、東京・永田町

首相官邸に入る岸田文雄首相(中央)=22日、東京・永田町

 元衆院議員=自民党離党=の辞職などを受けた補欠選挙が来年の政局の焦点になってきた。薗浦氏の地盤だった千葉5区を含む少なくとも三つが来春行われる可能性が高まり、岸田政権に対する審判の性格がより濃くなるとみられるためだ。補選はさらに増えることも予想され、結果は首相の政権運営を左右しそうだ。

自民、逆風懸念 薗浦氏辞職、イメージダウン避けられず

 来春実施の公算が大きいのは、千葉5区に加え、安倍晋三元首相の死去を受けた山口4区、先の和歌山県知事選で当選した岸本周平氏=国民民主党離党=の議員辞職に伴う和歌山1区の衆院3補選。昨年の衆院選の「1票の格差」訴訟が決着すれば、衆院解散がない限り、小選挙区の「10増10減」を反映しない従来の区割りのまま4月23日に投開票される。
 山口4区は安倍氏後継擁立の動きが自民党で活発化。後援会内では下関市議擁立案が浮上した。県政界実力者の柳居俊学県議会議長は22日、選対委員長と東京都内で会談し、公募手続きを取る可能性を伝えた。
 山口では2区が来春の実施対象に加わる「ダブル補選」の可能性が取り沙汰される。10増10減では山口も1減となる。候補者調整を有利に運ぶため、自民党現職で安倍氏実弟の前防衛相が辞職し、補選で長男に交代する案がささやかれる。岸氏は次期衆院選に出馬しない意向を11日に後援会に伝えた。
 和歌山もダブルの可能性がゼロではない。自民党県連内では1区補選の候補として、参院幹事長か参院議員がくら替え出馬する案が出ている。展開次第では参院和歌山選挙区も補選となる。
 千葉5区を巡っては、自民党県連が22日の国会議員団会議で後継候補の選定に着手した。ただ、東京地検特捜部は同日、パーティー収入を過少報告した政治資金規正法違反罪で薗浦氏を略式起訴。「政治とカネ」の問題で与党に逆風が吹く事態は避けられそうにない。
 立憲民主党は22日、全国幹事長会議をオンラインで開催。選対委員長は記者団に、千葉5区について「しっかり戦う」と表明。国民民主党は既に同区に新人を立てた。日本維新の会や共産党も補選に向けて準備に入った。
 補選の結果によっては、岸田首相では次期衆院選を戦えないとの声が与党内に出る可能性も否定できない。自民党関係者は「補選は首相の通信簿となる」と指摘。党幹部は「全勝」を勝敗ラインに位置付けた。
 来年4月には統一地方選も行われる。その一環の大分県知事選には野党系無所属の参院議員が出馬を表明しており、辞職時期により参院大分選挙区も4月補選の対象となる可能性を残す。

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