反撃能力保有、トマホーク配備へ 中朝を警戒、安保政策大転換―3文書改定・政府
2022年12月16日19時48分
政府は16日、国家安全保障会議(NSC)と臨時閣議を開き、外交・安全保障の基本方針となる「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の3文書を改定した。敵のミサイル基地をたたく「反撃能力」(敵基地攻撃能力)保有を明記、能力行使のために米国製巡航ミサイル「トマホーク」の配備を打ち出した。
背景には、軍事行動を活発化させる中国や北朝鮮への警戒がある。平和憲法の下、打撃力を米軍に頼ってきた戦後日本の安保政策の大転換で、専守防衛の基本理念が変質する恐れがある。
岸田文雄首相は改定後に記者会見し、「相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力となる反撃能力は今後不可欠となる」と説明した。
「安保戦略」では、「既存のミサイル防衛網だけで完全に対応するのは難しくなりつつある」と反撃能力の必要性を強調。「武力行使の3要件に基づき、必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、わが国が有効な反撃を加えることを可能とする」と反撃能力を位置付けた。