愛知県警岡崎署幹部も男性暴行か 勾留中死亡、便器に頭も―5日食事取らず
2022年12月16日12時27分
愛知県警岡崎署(同県岡崎市)の留置場で勾留中の無職男性(43)が死亡した問題で、同署幹部も身体を拘束された男性に暴行していた疑いがあることが16日、県警関係者への取材で分かった。男性は保護室内の便器に後頭部が入った状態で放置された疑いがあることも判明。県警は特別公務員暴行陵虐容疑も視野に、署員らから事情を聴くなどしている。
勾留中死亡、複数署員暴行か 保護室に140時間収容―持病薬も与えず・愛知・岡崎署
県警関係者によると、男性が収容された保護室の監視カメラに、署幹部がベルト手錠と捕縄で手足を拘束された男性を蹴る様子が映っていた。他にも複数の署員が足を使い、裸で横たわる男性の体を動かしたり、手錠を持って引きずったりする映像が残されていた。
男性はあおむけで、保護室内の便器に後頭部を突っ込んだ状態で放置され、署員らが水を流した疑いもあるという。
男性は11月25日、公務執行妨害容疑で逮捕され、岡崎署に勾留された。大声を出して暴れるなどしたため28日に防音処置がされた保護室に収容され、自ら服を脱いで裸のまま両手両足を拘束された。今月4日未明、室内で動かなくなっているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は腎不全だった。
男性は精神疾患と糖尿病の持病があった。署も把握していたが、糖尿病については医師の診察を受けさせず、薬も与えていなかった。
身体拘束は延べ140時間以上に及び、搬送されるまで100時間以上、ベルト手錠などが外されることはなかった。男性は食事を拒むようになり、5日間ほどは食事を取っていなかった。署は水分補給はさせていたが、不十分だった可能性もある。
刑事収容施設法は、留置された者が病気にかかっていたり、飲食せず生命に危険が及ぶ恐れがあったりする場合は、速やかに医師の診療を受けさせ、必要な医療上の措置を取るよう定めている。