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独自路線維持を追求 成長実現には不透明感も―スカイマーク

2022年12月15日07時14分

全日本空輸機(手前)とスカイマーク機=2015年4月22日、東京・羽田空港

全日本空輸機(手前)とスカイマーク機=2015年4月22日、東京・羽田空港

 約8年ぶりに株式市場復帰を果たしたスカイマークはANAホールディングス(HD)、日本航空の大手2社陣営に属さない国内航空の「第三極」を追求する。ただ、中堅や格安航空(LCC)の系列化が進む中、独自路線を歩むという成長戦略には不透明感も漂う。

洞社長「ビジネスモデル変えず」

 「あくまでANAは競争相手だ。競争するところはガチンコで競争する」。スカイマークの洞駿社長は14日の記者会見で強調した。
 スカイマークは経営破綻後も一貫して経営の独立性にこだわってきた。経営再建時にANAHDから16.5%の出資を仰ぎ支援を受けたが、共同運航など営業面の提携には踏み込まなかった。また運賃を大手2社より安価に抑える一方、格安航空会社(LCC)では有料となる手荷物の預かりや機内飲料を無料で提供する「独自の立ち位置」で差別化を図ってきた。
 ANAHDは上場後も主要株主であることに変わりはない。しかし、洞氏は整備などでは協力をしつつ、営業面では引き続き一線を画す考えだ。再上場後は、調達した資金で現行機よりも燃費が良く座席数が多いボーイング737MAXシリーズを導入。「ドル箱路線」と位置付ける羽田空港発着の国内路線の収益性を高める戦略で、羽田の発着枠の追加獲得も狙う。
 ただ、国内の競争環境は厳しい。今年10月には一部路線がそれぞれスカイマークと重複する中堅のAIRDO(エア・ドゥ、札幌市)とソラシドエア(宮崎市)が経営統合。両社の羽田の発着枠は合計でスカイマークを上回った。さらに両社はANAHDと共同運航をするなど路線網の強化も進めている。
 LCCについて洞氏は「異なる競争環境にある」との認識を示したが、ANAHDと日本航空はそれぞれ系列のLCCともマイルなどでサービス連携を深める。スカイマークが価格やサービス面での競争力を保てるかどうか視界不良だ。

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