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「今を生きる」武士道で表現 震災が人生の転機に―邦人画家NY個展

2022年11月26日13時37分

早坂寿輝氏の個展で展示された作品=23日、ニューヨーク

早坂寿輝氏の個展で展示された作品=23日、ニューヨーク

  • 個展の会場で作品を制作する早坂寿輝氏=24日、米ニューヨーク

 【ニューヨーク時事】東京都で活動するアーティスト、早坂寿輝氏(32)のニューヨークでの初個展「武士の一太刀」が、28日までの日程で始まった。キャンバスを赤や黒などで塗り、筆を刀になぞらえ高い集中力で一度だけ振る。別の色を飛び散らせることで、信条である「今を生きる」を力強く表現している。

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 早坂氏は仙台市出身。東北学院大在学中は競泳で2012年のロンドン五輪出場を目指していた。しかし、11年の東日本大震災発生翌日に見た被災地の光景に衝撃を受け、「何かを残したいという使命感に駆られた」。救助活動時に高齢の女性から掛けられた「ありがとう」の言葉が重く響き、20歳で作品にメッセージを込める抽象画家としての道のりを歩み始めた。
 武士道をテーマにした作品には円形のキャンバスを採用。「心、命に形があるなら丸だと思った」と語る。画材には日本の伝統的な炭、金箔(きんぱく)のほか、日本を象徴する富士山で採取された安山岩も用いた。
 早坂氏は「今この瞬間に全てがある」と強調。「絵を見て自分の人生にリンクする何かを感じてほしい」と期待を口にした。

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