北朝鮮、ICBM級ミサイル 北海道沖EEZ内に落下―米本土射程か、69分間飛行
2022年11月18日19時52分
北朝鮮は18日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル1発を発射した。約69分間飛行して北海道渡島大島西方約200キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。日本政府は国家安全保障会議(NSC)を開催。高度や飛行時間などから、米全土を射程に収める能力があると見て、分析を急いでいる。
防衛省によると、ミサイルは午前10時14分ごろ、平壌近郊から発射。最高高度約6000キロ、飛行距離約1000キロと推定される。日本列島に到達する恐れはないとして、破壊措置は取らなかった。
松野博一官房長官は記者会見で、迎撃が困難とされる高角度の「ロフテッド軌道」で発射されたとの見方を示した。浜田靖一防衛相は記者団に「弾頭重量などによっては1万5000キロを超える射程となり得る。その場合、米国本土が射程に含まれる」と明らかにした。
北朝鮮によるICBMの可能性があるミサイル発射は10回目となる。これまで最も飛行時間が長かったのは今年3月24日の71分間。今回はそれに次ぐ長さで、最高高度もほぼ同じだった。
韓国側では、新型ICBM「火星17」を発射したとの見方も出ている。
◇6カ国が緊急会合
今回のミサイル発射を受け、日本と米国、韓国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国は、タイ・バンコクで緊急首脳級会合を開催。岸田文雄首相は、北朝鮮が今後核実験を行う可能性にも触れつつ、「これまでにない高い頻度で発射を繰り返しており、今回も断じて容認できない、最も強い言葉で非難するという強い意志を示したい」と呼び掛けた。
6カ国による首脳級会合は初めてで、ハリス米副大統領が主催。北朝鮮の完全な非核化に向け、連携を強化することで一致した。